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東日本大震災に際しての緊急対応と復旧の取り組み

「人」と「街」のHarmony 2011年3月11日(金)午後2時46分、三陸沖を震源とする巨大地震が東日本を襲いました。宮城県仙台市内でオフィスビルを管理しているエヌ・ティ・ティ都市開発ビルサービス(株)仙台営業所では、地震発生直後からできるかぎりの対応を行い、テナントさまの事業継続を支援しました。当日とその後の対応の模様を、仙台営業所の佐藤所長、平井主査の2名に聞きました。

アーバンネット卸町ビルN館

被災直後の緊急対応

――地震発生直後の状況は。

  • エヌ・ティ・ティ都市開発 ビルサービス株式会社 PMサービス事業部 仙台営業所 佐藤 二郎
    エヌ・ティ・ティ都市開発 ビルサービス株式会社 PMサービス事業部 仙台営業所 佐藤 二郎
  • エヌ・ティ・ティ都市開発 ビルサービス株式会社 建築事業部 第一工事部門 第二技術部 平井 利幸
    エヌ・ティ・ティ都市開発 ビルサービス株式会社 建築事業部 第一工事部門 第二技術部 平井 利幸

佐藤:地震発生時に、私はNTT都市開発のビル事業本部がある岩本町ビル(東京都千代田区)で会議に出席していました。すぐに仙台営業所に電話をかけましたがつながらず、同ビルに配備されていたMCA無線(※注)や衛星電話で連絡を取りました。各ビルのサービスセンターにも直接連絡し、被害状況の把握に努めました。

平井:私は、仙台市青葉区にあるアーバンネット勾当台ビルで、ちょうどテナントさまの工事立ち会いをしていました。すぐにビル内の各テナントさまを訪ね、けがをされた方がいないか、棚やロッカーが倒れて誰かが下敷きになっていないかなどを確認しました。その後、徒歩5分ほどの場所にあるアーバンネット定禅寺ビルにも駆けつけ、同じように安全確認を行いました。テナントさまの中には外出先から戻ってこられた人もいたため、お戻りを十分に待ち、皆さまが帰宅されるのを見届けた上で、ビルのセキュリティを確認し、施錠しました。ほかのビルについても、仙台営業所の各社員が、ビルの入退室管理や設備監視などのサービスセンター業務を委託しているNTTファシリティーズと連携して対応しました。停電で電話が通じなかったため、ビル間の連絡は自分たちが足を運んで伝達しました。

佐藤:津波の映像をテレビで見た時、一番海に近いアーバンネット卸町ビルが大丈夫かと心配しましたが、津波による被害は免れました。幸い、当社が管理しているビルでは人的被害はなく、エレベーター内の閉じ込めも発生しませんでした。

※注 MCA無線:一定数の周波数を多数の利用者が共同で使うMCA(Multi Channel Access)方式を採用した業務用無線システム

仙台営業所が管理しているビル(仙台市内)

仙台営業所が管理しているビル(仙台市内)
ビル 場所
アーバンネット卸町ビル(N館・S館) 若林区卸町
アーバンネット五橋ビル 青葉区五橋
アーバンネット勾当台ビル 青葉区二日町
アーバンネット定禅寺ビル 青葉区国分町
アルファプレイスビル 青葉区昭和町
仙台泉中央ビル 泉区泉中央

復旧に向けた取り組み

――復旧に向けて、どのように対応したのですか。

平井:休日返上で、各ビルを回って状況把握に努めました。何とかしてビル間の連絡手段を確保しようと、各ビルのサービスセンター業務を担うNTTファシリティーズと検討を重ね、電気などのインフラが復旧しない段階での対応ルールを作っていきました。

被害状況を確認するエヌ・ティ・ティ都市開発ビルサービス仙台営業所の担当社員

被害状況を確認するエヌ・ティ・ティ都市開発ビルサービス仙台営業所の担当社員

佐藤:私は、新潟経由で14日(月)未明に仙台へ戻り、ビル機能の復旧に取り組みました。テナントの皆さまは、地震があったからといって仕事を止めるわけにはいきません。しかし、地震で遮断されてしまった水道やガスの供給再開には時間がかかりました。最も被害が大きかったアーバンネット卸町ビルでは、断水によって屋上タンク内の水が底をつきかけたため、ウォーターサーバやペットボトルで飲料水を確保し、サービスを維持しました。また、ビル内の壁や天井で損傷を受けた箇所については、二次災害防止のために適宜除去するとともに、テナントさまのご要望に応じて覆いをかけるなどの応急処置を施しました。以後、段階的に補修や補強を進めてきており、これからも引き続き取り組みます。

平井:テナントさまの復旧に向けては、柔軟なサポートを行いました。テナントさまがオフィス内を片付けるにあたっては、専有部内だけでは作業が進めにくいこともありますので、ご要望に応じて、空いていたスペースを臨時にお使いいただくなどして対応しました。また、ビル内のオフィスを起点として営業所などを展開するテナントさまでは、他地域から被災地に届ける災害救援物資が送られてくる場合もあったため、できるかぎりスペースをご提供しました。

佐藤:復旧が進みつつあった中で、4月7日(木)の深夜に強い余震が発生しました。停電になり、照明やエレベーターだけでなく、駐車場まで使えなくなりました。ただ、3月11日の震災による計画停電の経験があったため、復電時の機器チェックやテナントさまへの連絡を含め、復旧作業は円滑に行うことができました。

震災後の取り組みを振り返って

――震災後、テナントさまとの関係に変化はありますか。

佐藤:地震発生後の対応を通じて、テナントさまとのコンタクト回数は確実に増えました。ご要望にすべてお応えできたわけではありませんが、協力会社と一緒にできるかぎりの努力はしてきました。その結果、テナントさまとの関係が深まり、忌憚のない話ができるようになってきています。

平井:テナントさまからは、ビルの耐震基準についてお尋ねがありましたが、近年の建築基準法に則って構造計算を行っていることなどをご説明し、皆さまにご安心いただけています。外壁が剥がれたりしている他のビルと見比べることで、安全性を感じていただけているようです。

佐藤:仙台営業所が管理するビルでは、震災後に入居に関するお問い合わせが相次ぎ、新規テナントさまに入っていただいています。当社のビルが安全性や管理面を含めて評価いただいている結果だと思いますので、ご期待に沿えるよう、これからも努力していきます。

――今後に向けた課題はありますか。

佐藤:仙台営業所では、ビルごとに緊急時対応マニュアルを整備していますが、日頃の訓練は火災対策が中心で、地震発生時の訓練は十分とは言えませんでした。そして、停電時の連絡手段をどう確保するかが重要です。また、地震発生直後の館内放送で何を伝えるべきか。今回は、「落ち着いて行動してください」と申し上げるにとどまりましたが、テナントの皆さまに安全に行動いただくための案内のしかたは検討が必要です。こうした課題を踏まえて、今後の災害対策に取り組んでいきたいと思います。

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