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大手町一丁目第2地区第一種市街地再開発事業

大手町の新しい風景

連鎖型都市再生プロジェクトが進行する大手町。
国際金融の拠点に、新たなフラッグシップが誕生しています。

プロジェクト理念

金融、情報通信、マスメディアをはじめ、数々の企業が集う大手町。
エリアに立地する建物は昭和40年前後にほぼ一斉に建設されたため、施設面の老朽化が目立ち、
中枢業務エリアとしての機能更新・土地の高度利用化の必要性が叫ばれてきました。

「連鎖型都市再生」

高次のビジネス中枢機能を維持しながら開発を進めるため、「連鎖型都市再生」という手法を採用。
大手町合同庁舎の跡地を活用し、エリア内の事業活動を中断、停滞させることなく、全体を段階的かつ連続的に更新しながら開発する手法です。
大手町が日本経済の心臓部であり続けるため。
ビジネスの戦略拠点として世界と肩を並べるため。
ここで働くワーカーたちにとって快適な都市であるため――。
大手町に集う企業・人々の熱い思いが枠組みを越えて手を結び、第1次、第2次、第3次とつながる、ビッグプロジェクトを推進しています。

フラッグシップとしての大手町フィナンシャルシティ

「大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業」(2009年4月竣工)に続くプロジェクトの第2弾「大手町一丁目第2地区第一種市街地再開発事業」(2012年10月竣工)では、第一次再開発地権者跡地にツインタワーの再開発ビル「大手町フィナンシャルシティ」を建築。
「国際金融拠点の大手町にふさわしい施設整備」を事業テーマに掲げ、2棟を合わせて総延床面積約24万2,500m2を整備しました。
国際的な金融拠点にふさわしいまちづくりをさらに進め、第三次再開発へとつなげます。

1. サウスタワー

金融人材の育成や交流の場である「東京金融ビレッジ」、国際医療サービス施設「聖路加メディローカス」が開設。
新たな大手町のフラッグシップビルとして存在感を際立たせています。

2. ノースタワー

全貸借室を19階以上とし、遮るもののない東京の眺望が広がる開放的なオフィス空間を実現。
国際的な金融拠点にふさわしい格調高いエントランスをはじめ、充実した共用空間がビジネスに高いポテンシャルを付加します。

我々の街づくり

ビジネス機能だけでなく、まち並み全体の活性化を意図したまちづくりに全力で取り組んでいます。

1. 緑地・歩行者ネットワークの創出

サウスタワー敷地西側には、ケヤキ並木による緑陰を形成。
中2階レベルのランチテラスは、立体的な緑化空間を演出。
丸の内エリアを中心に賑わいが醸成されている「仲通り」機能を延伸しています。
また、北側に日本橋川沿いの歩行者専用通路を整備し、大手町第一次街区にもつながりを持たせ、回遊性のあるまちづくりを行います。

2. 1フロア約700坪の無柱空間

天井高2.8mの伸びやかな空間を確保。
どんな業種にも柔軟に対応し、開放的なレイアウトを可能にします。

3. 快適なオフィス環境を整備

間仕切りの制約が少ないグリッド天井システム、区画ごとにきめ細かく設定を行える個別空調方式を採用。
快適なオフィス環境をサポートします。

4. CO2削減とヒートアイランド対策にさまざまな試み

敷地内外の緑化や保水性塗装の採用などにより、ヒートアイランド現象を緩和。
地域冷暖房システム(DHC)、Low-Eペアガラス、サッシ下部の自然換気スリットなど、省エネルギー化にも取り組んでいます。

5. BCP対策と地域防災への貢献

非常用発電機により、ビル用設備を約72時間稼動可能としています。また、災害時には来訪者にアトリウム空間を提供し、物資提供や救護活動を行います。


開発秘話と変化する大手町の風景

連鎖型都市再生プロジェクトの第二弾「大手町フィナンシャルシティ」構築。
ビルと街について、開発担当者に聞きました。

プロジェクトをつなぎ、街をつなぐ

――ツインタワーは高さが異なり、デザインもそれぞれに個性を感じます。その意図は?

ノースタワーは北側の神田地区に圧迫感を与えないよう高さを抑え、サウスタワーとは南北に雁行した配置でまち並みにリズム感をつけています。外装デザインは、統一感を持ちながら、ノースタワーとしての個性をいかにブラッシュアップするかが課題でした。たとえば、縦方向を強調した東西面のファサード。柱のピッチはノースタワーが7.2m、サウスタワーは3.6mと異なるのですが、全体として3.6mのピッチが象徴的に見えるよう、柱と柱の間に入れるラインの色や素材を念入りに検討しました。一方、北面は神田側のまち並みとの調和を重視。遮るもののない良好な眺望を生かすため大きな開口部を設けたのも特徴です。北側のランダムな窓割りは、圧迫感軽減とリズム感の演出をしつつ、建物の中からはできるだけ存在感をなくし、眺望を邪魔しないよう設計を工夫しました。環境への配慮も重要なテーマで、東西面は柱型と水平フィン、全体はLow-Eペアガラスが日射を遮り、方位ごとに効果的に熱負荷を低減しています。

――第二次再開発事業では、「歩行者ネットワークの強化」も重要なテーマですね。
特定建築者応募時にも提案した「つなぐ」が、連鎖型再開発全体を貫くキーワードと考えています。一つひとつのプロジェクトをつなぎ、また既存のまちと新しいまちとをつなぎ、賑わいのある魅力的なまちづくりをするためには、歩行者ネットワークの整備が欠かせません。第二次では、丸の内から続く「仲通り」の機能を敷地西側で延伸し、緑ゆたかな歩行者空間の形成を進めました。通りに面して店舗を配置し賑わいを創出するとともに、中2階レベルに植栽ゆたかな「ランチテラス」を設けるなど、ただ通り抜けるのではなく、楽しみ、憩える緑化空間を立体的に演出しています。将来的には日本橋川沿いの歩行者専用道も整備され、東京駅から大手町へ、大手町から神田へと人の流れがつながっていくでしょう。その起点となるようにノースタワーとサウスタワーをつなぐアトリウムが、ゲート的な位置づけで空間をデザインしています。また、地下鉄大手町駅から直結する地下1階の店舗ゾーンは、通路の幅をしっかり確保し、さらに第三次再開発街区へと地下のネットワークをつなげていく計画です。

新しい大手町の風景

――災害に強いビルが求められていると思います。非常時への対応はどうでしょう。
実際に災害が起こったときにどういう対応ができるかが、オフィス選びの重要な基準となってきています。そうしたニーズに応えるために、まず、非常用発電機から電力を供給することによって、共有部の一部の照明やビルの重要設備を約72時間稼働させることを可能にしました。また、テナントさまのご要望に応じて設置できる発電用スペースも確保しております。さらに、医療材料・薬剤、非常用飲料や食料などを常備した備蓄用倉庫を備えています。災害時には大手町を訪れている人々の受け入れ場所としてアトリウムや敷地空地部を提供し、地域防災にも貢献する計画です。サウスタワーに開設した医療機関「聖路加メディローカス」と連携し、ケガ等に対応する体制を整えています。クリニックには英語を話せるスタッフが常駐していますから、外国人オフィスワーカーや観光客にも安心して避難していただけるでしょう。
――特定建築者4社の代表企業としての参画になりました。
はい、第二次再開発事業では、A棟(ノースタワー)を整備する特定建築者として参画し、特定建築者4社の代表を務めさせていただきました。国際金融拠点となるビルだけに、仕様についても運営管理に関しても、地権者から高いレベルを求められ、それをいかに反映していくかがマネジメントの課題でした。とりわけセキュリティや管理の面で、皆さまに納得していただける仕組みを提案していくのは難しい作業でした。もうひとつ、資産管理を行う事業者の目線で、一つひとつの設計・仕様をチェックするのも当社が担った重要な役割です。長い目で見てどうしたらこのビルが生かされるか、どうしたら事故なく安全・確実に使っていただけるかというところに注力し、かなり細かい部分まで検討を重ねました。例えば、万が一地震が起こって配管が破断しても水漏れをオフィス内に入れないようにする対策。あるいは、より安全性が高く、利便性の高い駐車場とするためのサインなど、少しでも使い勝手を向上させたいという思いで、動線を調整したり、快適性をより高めるためにレイアウトを調整しています。制約が多い中で、関係各社と知恵を出し合い、よりクオリティの高いものを作り上げたという自負があります。
――最後に大手町にいらっしゃるお客さまにメッセージをお願いします。

このプロジェクトに携わるなかで、建物は人が行き来してこそ生きるのだと再確認し、エントランスから店舗やオフィスへと、人の流れをイメージしながら業務に取り組んできました。ぜひ皆さまにも実際に足を運んで、「大手町フィナンシャルシティ」を見ていただきたいです。ゲート的な役割を持つアトリウムや、ホッとくつろげる緑化空間など、ポイントがたくさんあり、きっと新しい大手町の鼓動を感じていただけるはずです。次のステップでは、さらにまちの魅力がクローズアップされていくでしょう。今後の大手町での再開発にも参加させていただき、まちづくりに貢献したいと思っています。

開発担当者インタビュー

NTT都市開発株式会社
開発推進部 戸田 栄里(左)
開発推進部 新開 俊之(中央)
開発推進部 林 正樹(右)

所属はインタビュー当時のものです