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生物多様性保全

自然を取り入れたオフィスビル・商業施設

NTT都市開発グループでは、オフィスビルや商業施設の開発において、それぞれの場所や物件の特徴に応じ、樹木・植栽や水場をはじめとする自然の要素を積極的に取り入れています。維持管理を丁寧に行い、自然をいい状態に保つとともに、施設を利用される方々に楽しんでいただけるようにしています。こうして、人にとっての快適さを追求するとともに、都市における生物多様性の保全にも貢献するよう努めています。

エコロジカルインフラとしての広大な緑地(品川シーズンテラス)

緑地に生い茂る樹木の写真
緑地内の樹木

品川シーズンテラス(東京都港区)は、既成市街地で分断されている東京湾臨海部の沿岸生態系と武蔵野台地の樹林生態系とを生産的に結びうる場所に立地しています。これらの生態系ネットワークをつなぐ「エコロジカルインフラ」としての役割を担うため、約3.5haの広大な緑地には、地域性を考慮した樹種(オオシマザクラ、コナラ、クヌギ、シラカシ、ヤマボウシなど)を選定、配置し、こうした樹木構成が野鳥の飛来も促しています。植栽計画は、地元の方との協議の場を設け、ご意見をできる限り計画に反映しました。また、トンボや水鳥が訪れることのできる水辺空間(湿生花園)も設け、メダカの育成にも取り組んでいます。

こうした取り組みにより、品川シーズンテラスは公益財団法人都市緑化機構から「緑の保全・創出により社会・環境に貢献する開発事業(都市開発版SEGES)」として認定されました。

空中庭園における四季折々の風景(基町クレド)

樹木や草花に囲まれたスカイパティオの写真
スカイパティオ

基町クレド(広島市中区)は、地上33階・地下2階の複合商業施設です。6階の屋外部分に設けた、広さ約1,200m2の空中庭園「スカイパティオ」には、四季折々に花や実を付ける樹木や草花を植えており、ヒヨドリやスズメといった鳥が数多く訪れます。中央の広場を囲むように設けたせせらぎにはメダカを放流しており、この池の中で世代交代を繰り返しています。

「スカイガーデン」で里山を再現(日経ビル・JAビル・経団連会館)

日経ビル・JAビル・経団連会館屋上の水田に実った稲の写真
日経ビル・JAビル・経団連会館屋上の水田

NTT都市開発ビルサービスが外部から不動産管理運営業務を受託している日経ビル・JAビル・経団連会館(東京都千代田区)では、JAビルと経団連会館の間にある低層階屋上部分に日本の里山を再現し、都心のクールスポットとしてスカイガーデンが整備されています。スカイガーデンには、約35m2の水田があり、毎年の恒例行事として、地権者様・テナント様などをお招きし、4月末に「田植え」、6月上旬に「茶摘み」、10月末には「稲刈り」を行っています。

  • 田植えをする参加者の写真
    田植え(4月末)
  • 茶摘みをする参加者の写真
    茶摘み(6月上旬)

また、2013年度からは、スカイガーデンから出るゴミ(落ち葉や剪定枝等)の減量と資源の有効利用を目的に、コンポスト(堆肥化容器)を設置しました。当施設で発生した落ち葉や剪定枝・刈り草等を一時的にコンポスト内に堆積し、時間の経過と共に発生する微生物により分解された土壌改良材を、再び、スカイガーデンの有機堆肥として循環利用しています。なお、製造された堆肥の一部は、「稲刈り」に参加された方にお配りしました。

  • 木でできたコンポストの外観写真
  • コンポストに堆積した剪定枝・刈り草の写真

コンポスト

ウエリスコードにおける生物多様性への配慮

NTT都市開発が2010年に策定した「ウエリスコード」には、「環境創造」の一環として、生物多様性保全に関連する内容が含まれています。建物と自然と の調和を意識した植栽計画を行うことや、樹木に樹種名や特徴説明のプレートを付け、自然や生態系を身近に感じられるよう配慮することをあげています。

NTTドコモ「どんぐり育苗活動」への参加

NTT都市開発東海支店では、当社の地域貢献活動とNTTドコモ東海支社の自然保護活動をマッチングさせた「どんぐり育苗活動」に取り組んでいます。この取り組みは、地域の保育園児と一緒に、"どんぐり"の実から苗を育て、「ドコモの森」へ成長した苗を森へ返すという循環サイクルの環境教育を実施しているものです。

植林できるまで育った苗は、自然環境保護活動の場である「ドコモの森」の森林整備活動で使用されます。

  • どんぐりを植える保育園児たちの写真
  • どんぐりを植える保育園児と保護者の写真

どんぐり育苗活動の様子(上名古屋保育園児の皆様)