ヒートアイランド対策
屋上緑化活動
近年、都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる「ヒートアイランド現象」が問題となっています。NTT都市開発は、都市部を中心に総合不動産事業に従事する企業として、ヒートアイランド対策に注力しています。
当社グループでは2006年度より、保有する一部物件(オフィスビルや有料老人ホーム)の屋上で、サツマイモなどの食用作物を利用した緑化の試みを実施しました。サツマイモの大きな葉によるヒートアイランド緩和効果は大きく、2012年度の測定では、晴天時に屋根表面温度が最大22℃低下したところもありました。
2013年度中に試験的な栽培は完了しましたが、現在もアーバンネット上名古屋ビル(名古屋市西区)では、入居テナントの皆様のほか近隣の保育園児と協働してサツマイモによる緑化の取り組みを継続して行っています。収穫期に行う「収穫祭」では、収穫、試食のほか、屋上緑化によるヒートアイランド対策の取り組みを紙芝居で紹介し、地域交流、環境教育に役立てています。
多角的な対策の実施
NTTクレド基町ビル(広島市中区)、新風館(京都市中京区)、秋葉原UDX(東京都千代田区)といったビルでは、水を微細な霧状(ミスト)にして噴霧する「ドライミスト」を設置しています。蒸発する際に周囲の熱を奪い、周辺温度を下げるヒートアイランド現象抑制システムです。当ビルへ来られる多くのお客様へ、酷暑の夏にひと時の「涼」を提供しています。
日本の伝統的な方法である「打ち水」にも、積極的に取り組んでいます。グランフロント大阪(大阪市北区)で梅田の雨水を再利用する「梅田打ち水大作戦」を行っているほか、広島市、福岡市でも市・地域協議会などが主催する打ち水イベントに参加しています。
広島市では中国支店を始めとする13事業者からなる「紙屋街・基町回遊性向上連絡協議会」と広島市が主催し、毎年打ち水のイベントを行っています。今回で5回目となった「打ち水大作戦2014 inひろしま」では、主催従業員や近隣の幼稚園児や市民を含む300名による打ち水で、地域の皆様に涼やかなひと時を感じていただきました。
また九州支店では、WeLove天神協議会と福岡市などが中心となって毎年行っている「天神打ち水大作戦」に、2015年も参加しました。天神地区の商業施設や企業19社から100名が浴衣姿で参加し、3班に分かれ12カ所をリレー形式で打ち水を行いました。
このほか当社では、植栽の配置、駐車場の緑化、保水性のある舗装材の採用などを行うなど、ヒートアイランド現象の緩和に向け、全国の各地域において多角的な取り組みを行っています。