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NTTグループの不動産利活用に向けた取り組み
~ NTT電話局 営業窓口跡の利活用 (LIFORK上北沢・LIFORK川崎)~

LIFORK上北沢の写真
LIFORK上北沢
LIFORK川崎の写真
LIFORK川崎

2019年7月、NTTグループは、NTT都市開発グループとNTTファシリティーズグループを両輪とする街づくり事業推進会社「NTTアーバンソリューションズ株式会社」を設立しました。NTTグループ各社は、これまでも不動産利活用に取り組んできましたが、新体制の発足に伴い、NTTアーバンソリューションズを中心にグループ内の連携を強化し、NTTグループだからこそできる、ICT・エネルギー・環境技術を活用した街づくりで、社会的課題の解決に貢献することをめざしています。

NTTグループの不動産は、複合開発につながる大規模なものから、電話局窓口跡のような比較的小規模なものまで、多岐にわたります。今回ご紹介する「LIFORK上北沢」(東京都世田谷区)「LIFORK川崎」(神奈川県川崎市)は、NTT電話局 営業窓口跡を利活用した事例です。
NTT都市開発が展開するシェアオフィス「LIFORK」は、さまざまな街や空間を「より良い人生のために働く」場所に変えることを目的に、これまで都心を中心に展開してきましたが、2019年、はじめて郊外への展開に至りました。電話局窓口跡の再生という課題に取り組んできた2人が、これまでの取り組みと、今後に向けた想いをお伝えします。

NTT都市開発 開発本部企画部 担当課長 清家 伸幸の写真
NTT都市開発
開発本部
企画部 担当課長
清家 伸幸
NTTアーバンソリューションズ(株)CRE推進部 グループ営業部門 総合推進担当課長 渡辺 英孝 の写真
NTTアーバンソリューションズ(株)
CRE推進部
グループ営業部門 総合推進担当課長
渡辺 英孝

NTT都市開発が担う新たなミッション

清家

2019年7月1日に発足したNTTアーバンソリューションズ(株)は、NTTグループが今後注力していく不動産事業を統括する会社です。東日本電信電話(株)・西日本電信電話(株)をはじめとするNTTグループは、電話局やオフィスビルといった拠点を全国に約8,500カ所保有していますが、技術開発に伴う電気通信設備の小型化、「116」やインターネットでの注文受付の普及に伴う営業窓口の廃止などにより、空きスペースが生じます。その規模は大小さまざまですが、いろいろな制約があるなかで最大限の有効利用を進めるには、NTTグループ唯一の総合不動産会社として実績を積み上げてきたNTT都市開発のノウハウがポイントになります。

渡辺

情報通信を中核事業とするNTTグループにとって、不動産事業は主に対する従、事業区分で言うと「その他」という扱いが長く続いてきました。しかし、視点を変えると、不動産事業が扱う街づくりは、NTTグループにとってサービスを展開する土台を整えることにほかなりません。つまり、NTTの不動産を有効に活用しながら、地域の皆様と協同して街づくりを総合的に手がけることで、NTTグループが提供する価値を最大化することができると考えています。NTTアーバンソリューションズ(株)とNTT都市開発は、NTTグループのこうした新たな構想を担っています。

清家

不動産開発における街づくりという概念自体も、変革が迫られています。かつては、見映えが良く、品質の高い建物をつくって、そこを利用していただけるテナントを見つける、ということに焦点が置かれていましたが、これからは「その街で働いたり住んだりする人の役に立つためにどうすべきか」という視点をより強く持つ必要があると考えています。今日的に言うと、"地域の課題を解決する街づくり"ということになるでしょうか。私たちの強みを活かしながら地域の皆様のお役に立つ方法としては、多くの方々が利用できるパブリックな場を生み出す、安心安全な場所にする、エネルギー効率を高めるなどして環境負荷を下げる、といった取り組みがあげられます。

渡辺

地域のお役に立つためには、何より地元の方々とよく話をすることが大切だと考えています。地域の心配事や悩みは何か、何が足りないのか、どのような街にしたいか。時間はかかりますが、そういった投げかけをさまざまな立場の方々にしていき、一緒に構想を練るプロセスを持つことが、いい街づくりにつながると考えています。

地域の皆様が訪れる『街の電話局』に、新たな命を吹き込む

清家

NTT都市開発では、自分らしいワークスタイル&ライフスタイルの実現をサポートする新たなシェアオフィス事業として、2018年4月より「LIFORK(リフォーク)」を展開しています。「LIFORK」は、LIFE + WORK = LIFORKという造語です。100人いれば100通りの働き方、生き方がある現代で、それぞれの「はたらくって楽しい」が見つけられるようにというメッセージを込めています。2018年度は3つのLIFORK(秋葉原、大手町、南青山)を開設し、2019年度は「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」を含む4カ所を新たにオープンしました。

「LIFORK上北沢」を開設したNTT上北沢ビル、「LIFORK川崎」を開設したNTT川崎ビルは、かつて東日本電信電話(株)の電話回線を契約したり、電話料金を支払ったりする『街の電話局』の営業窓口として、地域の皆様に親しまれてきた場所です。しかし、前述のとおり、インターネットや携帯電話の普及、お客様からのご注文・問い合わせ受付方法の多様化といった時代の波に押され、営業窓口は閉鎖され、その後利活用方法が検討されてきました。その一環として、かつての『街の電話局』のように地域の方々が訪れる場を復元できないかと考えたことが、「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」プロジェクトの出発点になりました。

渡辺

「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」は、ともに住宅街が近くにあり、多くの方が生活されていますが、都心に通勤している方が多いという特徴もあります。そうした場所に「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」のようなシェアオフィスを設けることで、テレワークやサテライトオフィスとしての活用も選択肢になり、地域の皆様に新しい働き方を提案することができるのではないかと考えました。

「かつての『街の電話局』の復元をコンセプトに、コミュニティ拠点の創出・働き方改革・テレワークの推進に貢献する場所を提供する」という試みは、地域に新しいワークスタイルを提案することになり、同時にNTTグループ各社に対しても不動産利活用のヒントを示すことにもなります。そういった意味で、この施設をシェアオフィスとして活用することは、とても有意義ではないかと考えています。

LIFORK上北沢エントランスの写真
LIFORK上北沢エントランス
LIFORK川崎エントランスの写真
LIFORK川崎エントランス

NTTアーバンソリューションズグループとしての取り組み

渡辺

「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」は比較的小規模な例ですが、NTTアーバンソリューションズグループ体制がスタートし、私たちは、NTTグループ間での連携強化に努め、NTTグループ不動産を活用した、より広域なエリアの活性化に貢献するプロジェクトにも取り組んでいます。その一例が、仙台市青葉区のNTT東日本仙台中央ビルの再開発です。このプロジェクトでは、2023年度に完成予定の次世代型放射光施設との連携を見据えた開発を進めることで、仙台市のビジョン実現への貢献をめざしています。このように、NTTグループが全国の中核都市を中心に所有する資産を、地域の発展を見据えて活用していくことは、私たちの重要なミッションです。

NTTグループは、ICT・エネルギー・環境技術など、これからの街づくりに不可欠な技術やノウハウを多く保有しています。これらを活かして、従来以上に社会的課題の解決に貢献できるよう、取り組んでいきたいと考えています。

魅力的な場所づくり、そして豊かな街づくりへ

清家

「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」の開発にあたっては、規模は小さいものの「街の可能性を紡ぎだす共創拠点」とすることをめざしてきました。人と地域、人と企業が、しなやかな関係性を結び、仕事や暮らしの新しい可能性を紡いでいける場所、地域を面白くする場所になればと考えてきましたが、この想いは、プロジェクトの規模の大小に関わらず、今後のNTTグループの不動産利活用を考えていく上で共通するものだと思います。

渡辺

「LIFORK上北沢」「LIFORK川崎」の開発では、地域の人々に「ここに来ればきっと何か魅力的なものと出会える」という期待を抱いていただけるよう取り組んできました。今後の開発にあたっても、地域の声やアイデアを積極的に採り入れ、それをNTTグループのさまざまなリソースと融合させて、NTTグループの総合力を活かした新しい魅力を創出していきたいと考えています。また、地域の方々がよりいきいきと働き、集い、交流できるような場づくりにも、取り組んでいきたいと思います。